2013年1月15日火曜日

内定を上手に断る事ができないと…

これは恐ろしい。
せっかく内定がとれたとしても、断るにも技術が必要ということですね。
 「おまえのせいで、育成計画が狂ったんだぞ。どうしてくれるんだ!?」

 内定辞退を告げた学生は、内定者リストおよび育成計画を見せられて、人事にこう言われました。

 内定辞退者に対する企業のこのような風当たりは、強くなる一方です。内定辞退は、職業を選ぶ権利を持つ学生にとって合法です。強制的に引き止められない企業は、違法すれすれの「引き止め」や「腹いせ」に走るようになりました。このような時代になった背景には、どのようなものがあるのでしょうか。

 近年は学生の大手志向が強くなった影響で、一部の企業に学生が集中しています。結果として、内定を獲得できない学生が増え、就職活動生の危機感をあおることになりました。さらに、リーマンショック後は「内定取り消し」という行為を企業が行ったため、企業への強い不信感が学生に募るようになりました。

 こうした状況は、就活のやり方をどう変えたでしょうか。リスクヘッジをしなくてはならなくなった学生は、数多くの企業を受け、数多くの内定を獲得するという行動に出ました。つまり、質より量を求め始めたのです。そして、企業が新卒に求める人物像が似通っている関係で、一部の学生に内定が偏るようになりました。複数社の内定を保持している学生であっても、当然ながら入社できるのは1社しかないため、その他企業は辞退する必要が出てきます。こうして、多数の内定辞退を生み出す状況になりました。

 企業によっては、大手であっても6~7割の内定辞退が出ているのが現実です。これでは、1年前から莫大な予算をかけて準備してきた企業にとっては、たまったものではありません。こうなると、企業側も対抗措置を講じてきます。学生が安易に内定辞退することに対し、企業も感情的に対応するケースが増えているのです。以下は、実際に学生たちから聞いた話です。

 1. 某大手金融機関A社に内定辞退を伝えたところ、「どこの企業に行くのか?」と聞かれた。入社予定のB社の社名を伝えたところ、A社の取引先の企業であったため、圧力をかけられた。これにより、A社とB社の内定を失う結果となった。

 2. 某大手食品会社C社の内定を辞退したところ、椅子に座らされ、人事数名に1時間におよぶ罵詈雑言を浴びせられた。

 3. 某大手金融機関D社に内定辞退を伝えたところ、その場はいったん保留にさせられた。後日、研究室に行く際、人事が校門で待っていた。一緒に教授のところまで案内させられ、教授にあいさつをして帰っていった。お世話になった教授を裏切れず、そのまま入社を決意した。

 1の場合、信義則違反の範疇を超え、ほとんど違法すれすれの域に達した行為といわざるを得ません。いくら企業側があたまにきたとしても、学生にとって一生の問題である内定の取り消しにつながるような行動を取る権利があるはずはありません。

 また2も、学生にとっては不必要に不愉快な思いをさせられたわけですから、笑って済ませられるケースではありません。3はより陰湿なケースですが、こうまでして内定者を引き留めたとしても、結局企業側にとっても内定者にとっても不幸な結果に終わるだけでしょう。このように、企業側も紳士的とはいえない対応をとるケースが増えてきています。

 新卒の採用活動が構造的に改革されるか、大手企業入社へのハードルが低くならない限り、この負の連鎖は続くでしょう。このような新卒の採用活動における欠陥は、「就職氷河期」だけでなく、学生が無作為に企業を受検することによる「入社後のミスマッチ」まで生み出すようになってしまいました。ミスマッチは、もはや企業側の改善努力だけに任せておけない状況です。学生がじっくりと自分にあった企業を探せるようになるためには、企業や学生だけでなく、政府機関も一体となって、改善していく必要があると思います。(内定塾講師 石橋正行)
企業に向けて、すべからく本当のことを言ってしまうということもよくないのかもしれません。やっぱり、ビジネスライクにきちんと割りきって話ができるようになっておくという事も社会人になるためのスキルなのでしょうか…。

内定のお断りの電話…せっかくいただいた内定だけに断りにくいとは思いますが、電話機はあなたを殴ったりしません!入社できない旨をきちんと伝えましょう、という事じゃないかと思います。